› 3足のワラジ › 2009年06月28日

2009年06月28日

あれから20年・・・

 私が高校生の夏休み「ボランティア養成講座」に参加しました。

ボランティアのしくみや心構え、実際にマッサージをしていらっしゃる方からのマッサージ講習を経て近くの老人ホームへのボランティア

をさせてもらいに出かけます。

そこは養護老人ホーム。様々な理由で自宅での生活が出来なくなった方が暮らす場所でした。

老人ホーム初体験の私。最初は施設長さんからの話。

「いろんな事情でくらしている方が生きがいをもって暮らせています。様々なクラブ活動や外出行事に旅行があり、ここのお年寄りは 幸

せに暮らしています。」

その後、それぞれに別れて部屋の掃除や話し相手をしていく中である御婆さんのお部屋に伺いました。

その方は北海道出身

群馬に住む娘さんを頼ってこちらに見えました。子供や孫に囲まれ楽しく暮らしていましたが、娘が離婚。孫たちを食べさせるため必死

に働く娘を見て「迷惑をかけてはいけない」と自分でこの施設に申し込んだと話していました。

娘に迷惑をかけたくないからと兄弟や親せき・友達にも施設にいることをだまってひっそりと暮らしていました。

「故郷には帰りたい。でも娘に迷惑をかけたくないから死ぬまでここで暮らしています」

おばあ様の笑顔がさみしさでいっぱいになっていました・・・

施設長は幸せと言っていたのに・・・

矛盾が生じました。

人生の最期をさみしく暮らすなんて・・・いたたまれない気持でした。

さみしい老後なんて悲しすぎる。

施設の自己満足じゃなく、少しでも楽しく、さみしい気持にならずに過ごしてもらいたい。

この仕事につくきっかけでした。

色々勉強して、この仕事について15年・・・

あれから20年近くがたって

果たして私のしてきたことはどうだったのでしょうか。

先の長い、自分に課せられた課題でもあるような気がします。

本当に難しい問題ですが、いろんなことを学び吸収して少しでもさみしい思いをしなくて済むような

そんなお手伝いができればと、今でも思っています。

今の世の中を築いていった方が敬われないではさみしすぎます。

出来ることから少しずつ。

初心を忘れずに精進していければと思っています。

  


Posted by ぼらぼら at 01:20Comments(6)介護